物語理論の本を書こうと思ったキッカケ

物語理論の本を書こうと思ったキッカケ

就活や奨学金の面接、あるいは留学の書類を書いたりすることが苦手な人は思ったよりもたくさんいます。そんな人達のために色んな人の物語を集めた本を書こうと思いました。

僕は哲学という一般にウケの悪いものを研究しながら実に300万円近い奨学金を獲得して複数回留学しています。これが出来たのは、無意識ではありましたが書類や面接の時に「物語」を書いたからだと思っています。

どんな経験があって、僕は今これがしたいのか? これをやることで将来的にどんなことが待っているのか? それを説明することは、まさに自分を物語るということなんだと考えています。

物語ってなんだろう

物語と聞くと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。子ども向けの童話もあれば、ハリー・ポッターのようなファンタジー、あるいは大人向けのSFなんかもあるかもしれません。

これらには皆共通点があります。あらゆる物語には、出来事があります(当たり前ですね)。嬉しいことや苦しいことがあり、その度に少しずつ登場人物達は変化していきます。

継母にいじめられても清く生きて最後には報われる、そんな過程に人は共感し感動します。もしかしたら、今苦しい人もそういう物語を読むことで勇気を持つことが出来るかもしれません。

そして物語は決してフィクションの世界だけにあるものではなくて、どんな人の人生にもあるものです。過去の出来事があり、今があり、そして未来が待っています。

物語を綴るには

物語を書くということは、すなわち人の変化を語ることです。変化にはいつも出来事(エピソード)が付随していて、その前後で変化が発生しています。

そして、その変化によって新しい出来事と出会い変化していきます。例を挙げてみましょう。

元々スポーツなどが嫌いで引きこもりがちな人が
→勝利に拘らない趣味スポーツの人たちと出会い(出来事)
→週末よく出かけるようになると(変化)
→普段接していなかったクラスメイトと同じチームになり(出来事)
→クラスでも朗らかになっていく(変化)
→そして今度はクラスで仲良くなった子と(出来事)……といったイメージですね。

こんな風に、今までの人生には必ず物語があったはずです。どんな人も、生きていく中で出来事を持ち、それによって何らかの変化が起きるからです。

この「物語」を自覚的に人に伝えることが出来るようになれば、自分を説明するのはぐっと簡単になります。

物語を分析するということは、綴り方を知ること

人の話を物語的に理解することは、自分自身が綴れるようになるための重要なトレーニングになります。なので、今回作る本ではたくさんの人の物語と、その解説のようなものを載せていこうと考えています。

日本で二人しか話せない、バングラデシュの被差別民族の言語を話せる人がいます。なぜ彼女はその道を選んだのか、その背景にはどんな過去があったのか。これからどんなことをやっていくのか?

普通に聞いていると面白い! と思うばかりで終わってしまいますが、それを出来事や変化として捉える訓練を行うことで、自分自身の物語を考えるための技術が少しずつ身につくはずです。

自分を物語ることが、面接や書類作成にも繋がる

彼らが語る物語には必ず魅力があります。その出来事と変化の連なりの中で、苦しかったり嬉しかったりしたことが「今のこの人を作ったんだ」と思わせるからです。これには、「これからも、この人はこうやって生きていくんだ」と聞き手に納得させる力があります。

そしてそれこそが、就活や留学・奨学金など様々な場面で最も求められる力でしょう。自分を物語るというのは自分を説明するということです

どんな出来事が自分に影響を与え、その影響によって自分はどう変わり、これからどんなことをしたいと思っているのか。

この最後の「どんなことをしたいと思っているのか」が就職先や奨学金の理念と合致していれば、それはとても魅力的な自己紹介になるわけですね。

なぜトビタテ生の物語を選ぶのか

今回の本には、主にトビタテ生の物語を集めようと考えています。高い倍率の留学奨学金を獲得し、それ以前にそもそも留学をしたいと思うだけの何らかの物語を持っている方が多いからです。

それに何より単純に面白い人が多く、この人達のバックグラウンドは一体どんなものなのだろうか? と凄く気になるからです。これから一年ほど掛けてゆっくりと作っていきます。

 

この記事から1年後、無事に書籍を出すことが出来ました。物語理論に関心のある方は是非ご一読ください。