留学計画:あなたは「求めるもの」「動き」「障害」「選択」の組合せで出来ている

留学計画:あなたは「求めるもの」「動き」「障害」「選択」の組合せで出来ている

あなたのことを人にわかりやすく伝えたいなら、小説や映画で使うキャラクター造形を意識することがお勧めです。あなたというキャラクターは何を求め、行動し、どんな壁をどんな風に乗り越えてきましたか?

この連載について

この記事は「留学計画を、物語のように作ろう」という連載の中の一部です。胸躍るような物語、不朽の名作として語り継がれるシナリオ、それらの多くに共通する構造を読み取ることを文学の中でも物語構造論と言います。桃太郎もハリーポッターもスターウォーズも皆共通する構造を持っているのです。ハリウッドやディズニーのシナリオライターも活用する考え方を、私はキャリアや留学計画に応用する考え方「物語理論」として提唱しこれまで1000名以上に伝えてきました(中央経済社より書籍にもなっています)。

留学計画に悩んでいる人、いまある留学計画をもっと良いものにしたい人、出来上がった留学計画をもっと多くの人に響くものにしたい人は是非この連載を読み進めてみてください。きっとその悩みに応えるアドバイスがたくさん見つかるはずです。さあ、それでは始めていきましょう。

(ちなみに作った物語を人に伝えるときのために「TEDトークから学ぶ、人に伝わる留学計画」と題した連載を並行して行っていきます。是非御覧ください)

連載「留学計画を、物語のように作ろう」
vol1.面白い物語には「テーマ」がある:留学計画の全ての始まりを話そう
vol2.あなたの物語(留学)に「求めてやまないもの」はあるか?
vol3.あなたの留学計画が退屈で平凡なのは「両極の対立」が含まれていないからだ
vol4.英雄流離譚(Hero's Journey)と留学計画:あなたは行きつ戻りつ何を得るのか?

 

キャラクター造形の前提

これまで物語理論は基本的にストーリー、プロット、筋書きと呼ばれるところにフォーカスしていましたが今回はキャラクター論に属する内容です。物語は2つの要素が組み合わさって面白みが生まれます。もちろんストーリーとキャラクターです。そしてそれは一体不可分であるとも言えるでしょう。

ストーリーに一定の作り方や構造があるように、キャラクターにもそれがあります。たくさんの作り方がありますが、その1つは「その属性を羅列する」というものがあります。これは一般的にも人の説明をするときによく用いられるものです。

例えば「彼は身長が170cmくらいで、おとなしい性格。本が好きで、特に推理小説に目がない。腕時計にはこだわるタイプで最近のお気に入りは〜」という形です。ここにはスクリーンショットとしてのその人の特徴が明らかにされています。

しかし、これだけでは物語に取り込むべきキャラクターとしては不十分かもしれません。なぜならば、これまでの物語理論で伝えてきた通りあらゆる面白さは「手に入れたいのに手に入らないもの」を「様々な困難を乗り越えた末に手に入れた」ときにやってくるからです。

オルタナティブな説明

そこで、先程のキャラクターの説明を変えてみましょう。「彼はもう販売終了してしまったロレックスの○○という型番の時計が欲しくてほしくてたまらない。持ち主を探し回っているとなんと一度買ったら絶対に手放さないことで有名なオーナーが持っていることを知る。そのオーナーの家でパーティーがあり、酔った弾みでその時計を机に置きっぱなしにしているのを目撃した彼は〜」どんな判断をするでしょうか。

キャラクターの説明でありながら、同時にストーリーを含んだものになっています。結局のところ、性格とはその人の属性ではなく「与えられたシチュエーションでどのように振る舞うのか」であると考えるなら、人の性格を伝えるにはこのような方法を用いるしかありません。

例えば、あなたが「彼女は優しい人間です」と誰かに伝えたければそのまま言うよりも「彼女は電車で妊婦の方が乗ると必ず道を譲るし、財布が落ちていたら近くの交番に届けるような人です」と言った方がよく伝わるのです。

あなたというキャラクターと留学計画

さて、ここであなたというキャラクターと留学計画を人に伝えるときにはどうしたらよいか考えてみましょう。あなたとは「優しい」とか「オープンマインド」な人間なのではありません。特定の状況で、際立った特徴を持って「振る舞う」ように説明されるべきです。

そのためにはあなたがこれまで経験してきたこと、その中でどう振る舞ったかが重要な説明です。留学中の話ではなく留学前、あるいは1つ前の留学体験を利用することが可能でしょう。

大学に入って友達が欲しかったあなたは団体に所属するも最初は慣れなくて居心地が悪かった。けれども自分から積極的に場を開いて先輩の予定を先に抑えてから同学年を誘うなどして参加者を増やし、主催者ということで立ち位置を獲得した経験があったとします。

これは恐らく、留学中にも経験する居心地の悪さでしょうし、それを乗り越えるための方法としても有効でしょう。このように「これまでのあなたの欲しいもの・動き・障害・選択」を説明することを通して、「これから起きるであろうシチュエーションでの振る舞い」を相手に伝えることが出来るわけです。

あなたは「新しい場所でも自分の個性を発揮できる」と説明することも出来ますが、先程の説明のように自分の振る舞いでもって自分を説明することも可能です。そしてこの方が、ずっとあなたのことを説明出来ているはずです。

まとめ

あなたという一人の人を説明するためにはたくさんの方法がありますが、その1つは今日お伝えしたような「求めるもの」「動き」「障害」「選択」によって見出すことです。

留学計画を考える際には、自分のこれまでを振り返ってそれと留学を結びつける必要がありますから、こんな風に自分を理解することは極めて重要です。人にもわかりやすく伝えられるようになりますし、何より自分の中で整理して理解することが出来るからです。

終わりに

魅力的な物語、ドラマや小説を作ることと、留学計画をブラッシュアップすることはとても良く似た作業を必要とする。キャラクターは現状に何か不満を持ち、外部へ飛び出して困難を乗り越え、何かを獲得して元いた場所に戻る。その時、最初にあった不満は獲得してきたナニカによって解消されるからです。

あなたの留学計画はどのように構成されていますか。どんな欠如を解消するために、どんな旅をしてくるつもりですか。そこに待ち受ける課題はどんなもので、それは誰と協力したりどんなトレーニングをしたら乗り越えられますか。それを乗り越えた先に得られる報酬はどんなもので、それは最初の欠如の解消に役に立つ形で説明できますか。

留学計画を物語のように語ってみること。これがあなたの留学計画をより魅力的なものにし、また人に伝わりやすくするための一番の方法なのです。

連載「留学計画を、物語のように作ろう」
vol1.面白い物語には「テーマ」がある:留学計画の全ての始まりを話そう
vol2.あなたの物語(留学)に「求めてやまないもの」はあるか?
vol3.あなたの留学計画が退屈で平凡なのは「両極の対立」が含まれていないからだ
vol4.英雄流離譚(Hero's Journey)と留学計画:あなたは行きつ戻りつ何を得るのか?

 

また、このような留学計画の作り方や語り方について1000名以上のカウンセリングをしてきました。オンラインでの個別相談を希望の方はぜひこちらよりご連絡ください。