あなたは何者として語るのか? スピーチにおける自分の持つ役割の自覚

あなたは何者として語るのか? スピーチにおける自分の持つ役割の自覚

教育者、エンターテイナー、それとも変革推進者? あなたはどんな役割を持っているでしょうか。留学計画によって、あなたはこの3つのカテゴリのどれかに当てはまる形で自分を紹介する必要があるんです。

本連載について

この記事は「TEDトークから学ぶ、人に伝わる留学計画」という連載の中に位置します。留学計画に悩む人は往々にして「作り方」と「伝え方」のどちらかに困っていることが多いため、このような連載を開始致しました。

(ちなみに作る方は「留学計画を、物語のように作ろう」と題した連載を並行して行っています。是非御覧ください)

どんなに面白いジョークも伝え方を間違えると陳腐で退屈なものになります。ドラマチックな物語のような留学計画を作るだけではなく、それを人に面白く物語った時に初めて人の心を打つのです。スピーチも面接も自己紹介も書類を書くのも、内容だけではなく伝え方に気を遣わねば誰にも届かないものになってしまうのですから。

TEDトークは、人に伝えるための方法を学ぶためにピッタリの題材です。人にうまく伝えられる人は、どんな順番でどんなことを伝えているのでしょう。この連載ではその秘密を探っていきます。


連載「TEDトークから学ぶ、人に伝わる留学計画」
1.たった1つの想いを語ろう:TEDトークから学ぶ留学計画の伝え方
2.まずパーソナルストーリーより始めよ:TEDトークから学ぶ留学計画の伝え方
3.〈Whyが先、Howが後〉TEDから学ぶ、人に共感される話し方のゴールデンルール
4.応援したくなる留学計画の話し方には3つのパターンがある:TEDトークから学ぼう

 

TEDトークの研究者

TEDトークというのを見たことがあるでしょうか。18分ほどの動画で、世界中の素晴らしいアイディアがシェアされるものです。アーティストや政治家、言語学者や社会起業家などがこの世界をもっと素敵に見る方法を教えてくれたり、素晴らしい成果を上げるためのアイディアを共有してくれるイベントです。その動画はたくさんインターネット上で見ることが出来ます。

そんな素晴らしいスピーチをひたすら分析して研究し『人が感動するスピーチとはどのように作られているのか』を研究し続けたのがジェレミー・ドノバンです。

そんな彼が、上手に人に物事を伝えるとき、スピーカーは何らかの役割を持っていると言います。大きく3つ-エデュケーター、エンターテイナー、そしてチェンジメーカー(変革者)-の中で、あなたはどんなポジションで人に話をしているでしょう。

自分の分析をすることで、もっと人に伝わる話し方が出来るようになるかもしれません。さあ、見ていきましょう。

カテゴリー1.エデュケーター

教育的要素を持った役割4つをカバーするのがこのエデュケーターです。発明家、生命科学者、自然科学者、社会科学者といった役割がここに含まれます。1つ1つ簡単に見ていきましょう。

・発明家(例:セバスチャン・フラン
最も想像しやすいものの1つでしょうか。最先端のテクノロジーや、逆に身近な技術を用いて世界をもっと面白く、便利に、豊かにするためのアイディア(実際にモノを見せる場合もある)を共有するタイプです。テクノロジー関係の留学をする人は参考に出来るでしょう。

・生命科学者(例:オーブリーデグレイ
脳、健康、長生きといったあらゆる人にとって関連するトピックについて研究している人たちです。そのメカニズムや普段の生活で活用できる知識を提供してくれます。最先端の医療やライフデザインに関わる留学をする人にとって、自分のやっていることの価値を伝えるのに参考になるかもしれません。

・自然科学者(例:スティーブン・ホーキング
宇宙や自然界、様々な物質の不思議を一般人にとってもわかりやすく、魅力的に美しく紹介するタイプです。一般の人には自分の専門を伝えづらい…と悩んでいる理系の研究者で留学を狙っている人は参考にする価値がありそうです。

・社会科学者(例:ブレネー・ブラウン
個人と個人の間の関係、組織や社会全体について研究をしている人が、その知見や洞察を提供するタイプです。心の傷つきやすさや、貧困を是正することが社会を多様で優しくすることが出来る、といったことがテーマになることがあります。海外留学で社会科学に取り掛かる人は少なくないはずなので是非。

カテゴリー2.エンターテイナー

カテゴリー2のエンターテイナーについてはちょっと留学計画と密接に結びつくものとは必ずしも限らないので、簡単に名前だけ紹介しておきます。コメディアン、マジシャン、作家、パフォーミングアーティスト、ビジュアルアーティストといった人たちがここに当てはまると筆者は述べています。

ほとんどの人は自分がやっていることを人に伝えることに極めて長けていることが多く、留学計画を伝える上で特に困ることが無いだろうと予測されます。それに比べるとやはりエデュケーターというのは一般に自分の研究を知らない人に伝えるのが大変なので参考になると思います。

カテゴリー3.チェンジエージェント

変革推進者、と日本語では漢字が振られています。Change Agentとは、TEDなどでも最もよく取り上げられるタイプのスピーカーだといえるでしょう。なぜならば、彼らの役割とは人にインスピレーションを与えることだからです。

聞いている人に新しい世界を見せ、そのための行動を促すチェンジエージェントはまさしくTEDらしいスピーカーであり、また留学計画を人に伝えるときなどにも強力な役割だと言えそうです。

・活動家(例:バンカー・ロイ
目の前に起きている不当な行為や現状をなんとか変えるために活動している人たちです。社会、政治、環境、貧困、差別などその対象は様々ですが、このような問題を何とかするために留学する人は少なくないのでは。相手に自分の思いを伝えるための参考にになるでしょう。

・第一人者(例:ロリー・サザーランド
この役割を持った人たちは、自分の仕事や活動の中でふとひらめいた『世界が変わって見えるようになる瞬間』を紹介します。あなたがもし何かひらめきを持っていてそれを広めたいと留学で考えているのならば参考になるでしょう。

・ビジネス界のカリスマ
詳細は省きますが要するに成功者がその秘訣を話してくれます。留学計画を伝える上ではあまり関係がないので省略します。

・探検家(例:リック・エリアス
第一人者が普段の仕事の中で閃いたことをシェアするのと違って、こちらは特別な事件や事故に遭遇したときに得られた洞察をシェアします。留学計画を人に伝えるとき、自分の経験がどれほど影響しているか、そこから何を学んだのかを人に伝えるための参考になるでしょう。

・精神的カリスマ(例:マルコム・グラッドウェル
いわゆるスピリチュアルに含まれる、自己啓発で語られるような内容や愛、幸福、宗教などについてのアイディアをシェアするタイプです。留学計画では恐らく珍しいと思いますが、一応紹介しておきます。

・社会起業家(例:サルマン・カーン
活動家とほとんど同じですが、活動家に比べて商業的なルールややり方を社会問題にぶつけて解決するというやり方を取ることが少し違う部分だと筆者は述べていますが、ほとんど同じでしょう。このタイプの留学をする人は多いと思うので参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか、あなたの役割に当てはまるものはあったでしょうか。誰かに話をするとき、自分の言葉が相手に伝わるとき、そこには必ず自分の役割があります。相手に教えるのか、はたまた相手を楽しませているのか、新しい世界を示しそのためのアクションを引き出すのか、なんにせよそこでは様々なテクニックが必要となります。

もしもあなたが上記のどれかに当てはまると思ったら、是非例として出している人のTEDトークを聞いてみてください。どのような聞き手に対しても深く響くものばかりとなっています。自分の専門と違う人間にも面白く、その人が関心を持っていない社会問題についても共感してもらえるような話し方を探ってみましょう。

終わりに

留学計画は作るだけではなく、その伝え方にも注意する必要があります。素晴らしい物語を持っているのに、書類にうまく落とし込めなかったり面接でうまく話せなくて落ちてしまう人はたくさんいます。是非今後の様々な募集に備えて本連載を追いかけてみてください。

物語のような留学計画の作り方、そして物語のような伝え方について1冊の書籍を2017年に中央経済社より出版しています。興味のある方は是非御覧ください。トビタテ生のリアルな物語も7本収録されています。

このような留学計画の作り方や語り方について1000名以上のカウンセリングをしてきました。オンラインでの個別相談を希望の方はぜひこちらよりご連絡ください。

連載「TEDトークから学ぶ、人に伝わる留学計画」
1.たった1つの想いを語ろう:TEDトークから学ぶ留学計画の伝え方
2.まずパーソナルストーリーより始めよ:TEDトークから学ぶ留学計画の伝え方
3.〈Whyが先、Howが後〉TEDから学ぶ、人に共感される話し方のゴールデンルール
4.応援したくなる留学計画の話し方には3つのパターンがある:TEDトークから学ぼう