あなたの留学計画のログラインとシノプシスを教えてください

あなたの留学計画のログラインとシノプシスを教えてください

毎年多くの映画脚本が書かれては捨てられ、改善され、公開されるハリウッド。すべての物語を最初から最後まで読む暇などない-奨学金の面接官と同様-編集者のためのわかりやすいサマリー、それが必要だ。

この連載について

この記事は「留学計画を、物語のように作ろう」という連載の中の一部です。胸躍るような物語、不朽の名作として語り継がれるシナリオ、それらの多くに共通する構造を読み取ることを文学の中でも物語構造論と言います。桃太郎もハリーポッターもスターウォーズも皆共通する構造を持っているのです。ハリウッドやディズニーのシナリオライターも活用する考え方を、私はキャリアや留学計画に応用する考え方「物語理論」として提唱しこれまで1000名以上に伝えてきました(中央経済社より書籍にもなっています)。

留学計画に悩んでいる人、いまある留学計画をもっと良いものにしたい人、出来上がった留学計画をもっと多くの人に響くものにしたい人は是非この連載を読み進めてみてください。きっとその悩みに応えるアドバイスがたくさん見つかるはずです。さあ、それでは始めていきましょう。

(ちなみに作った物語を人に伝えるときのために「TEDトークから学ぶ、人に伝わる留学計画」と題した連載を並行して行っていきます。是非御覧ください)

7月28日、8月5日にトビタテ10期書類審査向けのワークショップを開催します。多くの合格者を輩出しているワークショップに是非ご参加ください。詳細はこちらから。日程調整が難しい方、地方の方にはオンライン相談も対応しております、こちらを御覧ください。

連載「留学計画を、物語のように作ろう」
vol.1面白い物語には「テーマ」がある:留学計画の全ての始まりを話そう
vol.2あなたの物語(留学)に「求めてやまないもの」はあるか?
vol.3あなたの留学計画が退屈で平凡なのは「両極の対立」が含まれていないからだ
vol.4英雄流離譚(Hero's Journey)と留学計画:あなたは行きつ戻りつ何を得るのか?
vol.5あらゆる冒険譚に共通する要素を留学計画に盛り込んでみよう
vol.6内面の旅としての留学-何が出来るかではなく、何を良しとするかの変化を生もう
vol.7留学計画:あなたは「求めるもの」「動き」「障害」「選択」の組合せで出来ている
vol.8あなたの留学計画のログラインとシノプシスを教えてください
vol.9ボードビル(上演演目の順序決め)とあなたの留学計画の伝え方

 

ログラインとシノプシス

どちらも聞き慣れない言葉だと思います。それもそのはず、これはハリウッドなどの映画産業で使われる言葉。ログラインとは「要するにその物語を一文でまとめると何か?」であり、シノプシスとは「感情や掘り下げを抜きにして、要するに何が起きるのか?」をまとめたもののこと。

映画業界には毎年何百本ものシナリオ候補がやってきますから、それをすべて読むことは到底不可能です。そこで、それらを簡単にまとめて理解するためのツールが必要だったのです。それがログラインとシノプシスです。

なぜこれと留学計画が関係しているのか? それには2つの理由があります。1つは、相手に伝える前に自分の中で留学計画を整理するため。もう1つは、整理を通して改善可能な点を見つけるところにあります。

ログラインを作ってみよう

早速ですが、あなたの留学計画のログラインを作ってみましょう。1文であなたの留学計画をまとめるのです。ちなみに、有名な映画「アラビアのロレンス」をログラインでまとめると

故郷と使命の感覚を求め、故国イギリスとアラビア人との情愛とのあいだで板挟みになる主人公

ですし、ゴーン・ベイビー・ゴーンだと以下になります。

私立探偵コンビのカップルが、麻薬の売人に誘拐されたとみられる幼い少女の行方を追い、古い歴史のある近隣地域を捜索する

あなたの留学計画も同じようにシンプルにまとめあげることは出来るでしょうか。この一文の中に1.求めるもの、2.それを得るにあたっての障害の両方を取り込むことが出来たら十分すぎるほどです。

一言でまとめるのは難しいと思うかもしれませんが、そもそも留学計画というのも人に伝えるときは結局1つのメッセージにまで絞り込む必要があります。どれだけのアクティビティや背景があろうと、言いたいことは1つにまとめるべきなのです。そうしないとどっちみち相手に伝えた時に情報過多で理解されないのですから。

私がこれまで話してきた様々な留学希望者の計画の中で思いつくものをいくつかログラインの形にしてみましょう。

フェアトレードの欺瞞と限界に気づいた大学生が、嫌がるNGOと対立しながら現地でカカオ農園で働く子どもたちの労働に関する意識を調査する

テクノロジーが好きな発明オタクが日本では理解されない最新技術をシリコンバレーに持っていき、海外ベンチャーキャピタルから投資を獲得する

右に倣えの日本の教育システムに苦しんだ男が、北欧と韓国という真逆のシステムを採用した国に飛び込み受験産業を分析する

こんな風にして、自分の留学計画をまとめてみてください。

シノプシスを作ってみよう

さて、一言で伝えるログラインをまとめることが出来れば次はシノプシスです。しかし実はこれ、まさしく留学計画にそっくりな代物なのです。なぜでしょうか?

シノプシスとは「シーンごとに何が起きて、次にどうするか」をまとめたものだからです。これはまさに留学計画だと言えます。いつ、どこで、何をして、それによって何が得られるのか、まとめたものが留学計画です。

ただし、未来(留学計画)についてはやる予定のことをまとめれば良いのですが、過去(志望理由)については少し違います。過去はもう既に起きたことなので、シノプシスよりもっと詳細に説明が可能だからです。

しかし、詳しく書けるからといって長々と似たような話を繰り返しても聞く側は疲れるだけ。「いつ何が起きて、それによって自分はどうしたか」すなわちシノプシスを自分の過去を元に実際に作ってみるのです。

そうすると、自分が何を伝えるべきで何を伝えるべきでないかはうっすら見えてきます。自分のログラインとあまり関係のないエピソードは省いてしまった方が良いでしょう。

5W1H+次のアクション、という形で自分のこれまでのエピソードを片っ端から書き出してみてください。そしてそれらを繋ぎ合わせたり、どことも繋がらないものを省いたりしてみましょう。

まとめ

あなたの留学計画をまとめると、要するに以下になります。

1.あなたのこれまでの経験、留学がしたい理由
2.留学でやること、それによって得られる能力や経験
3.得られたものを将来において活かすかという展望

留学前、留学中、留学後について明確に説明する必要があります。留学前についてはこれまでの経緯をわかりやすく噛み砕いて説明する必要があり、留学中や後のことは想像で書かなくてはなりませんが、聞いている側が魅力的に感じるように伝える必要があります。

それはまさに、面白い物語を作り上げることと同じですから、是非ログラインやシノプシスを使って過去から未来まで一気通貫の魅力的なストーリーを作り出してみてください。これは決して何かを捏造するということではなく、留学計画をブラッシュアップすることにほかなりません。

終わりに

魅力的な物語、ドラマや小説を作ることと、留学計画をブラッシュアップすることはとても良く似た作業を必要とする。キャラクターは現状に何か不満を持ち、外部へ飛び出して困難を乗り越え、何かを獲得して元いた場所に戻る。その時、最初にあった不満は獲得してきたナニカによって解消されるからです。

あなたの留学計画はどのように構成されていますか。どんな欠如を解消するために、どんな旅をしてくるつもりですか。そこに待ち受ける課題はどんなもので、それは誰と協力したりどんなトレーニングをしたら乗り越えられますか。それを乗り越えた先に得られる報酬はどんなもので、それは最初の欠如の解消に役に立つ形で説明できますか。

留学計画を物語のように語ってみること。これがあなたの留学計画をより魅力的なものにし、また人に伝わりやすくするための一番の方法なのです。

7月28日、8月5日にトビタテ10期書類審査向けのワークショップを開催します。多くの合格者を輩出しているワークショップに是非ご参加ください。詳細はこちらから。日程調整が難しい方、地方の方にはオンライン相談も対応しております、こちらを御覧ください。

連載「留学計画を、物語のように作ろう」
vol.1面白い物語には「テーマ」がある:留学計画の全ての始まりを話そう
vol.2あなたの物語(留学)に「求めてやまないもの」はあるか?
vol.3あなたの留学計画が退屈で平凡なのは「両極の対立」が含まれていないからだ
vol.4英雄流離譚(Hero's Journey)と留学計画:あなたは行きつ戻りつ何を得るのか?
vol.5あらゆる冒険譚に共通する要素を留学計画に盛り込んでみよう
vol.6内面の旅としての留学-何が出来るかではなく、何を良しとするかの変化を生もう
vol.7留学計画:あなたは「求めるもの」「動き」「障害」「選択」の組合せで出来ている
vol.8あなたの留学計画のログラインとシノプシスを教えてください
vol.9ボードビル(上演演目の順序決め)とあなたの留学計画の伝え方

 

また、このような留学計画の作り方や語り方について1000名以上のカウンセリングをしてきました。オンラインでの個別相談を希望の方はぜひこちらよりご連絡ください。